不良系ビジュアルロックバンド『BY-SEXUAL』を振り返る

不良系ビジュアルロックバンド『BY-SEXUAL』を振り返る

90年代、一世を風靡したビジュアルロックバンド「BY-SEXUAL」の軌跡を辿ってみましょう。


SO BAD BOY!不良系ビジュアルロック

ヴィジュアル系ロック黎明期の1990年。シングル「SO BAD BOY」でデビューした不良系ビジュアルバンドがこの「BY-SEXUAL」です。

デビュー当時全員が10代であったこと、容姿端麗、不良っぽさ・・・などの要素が若い女性ファンを獲得するきっかけになりました。

パンクロックを基調とした軽快なリズムに、少し気怠そうな感じで歌うSHOのボーカルスタイルが人気を博し、多くのメディア出演を果たしました。

酷評?関西のラジオ番組で…

デビュー後、様々なラジオやテレビ番組に出演していたBY-SEXUALですが、ダウンタウンとテレビで共演した後に関西のラジオで「へたくそバンド」と称されてしまいます。

また、一時 聖飢魔IIから「あの自転車を英語にしたのと似たバンド(バイシクルとバイセクシャルの音が似ている)はヘタ」と酷評されてしまいますが、後に「あいつらうまくなっていた」とダウンタウンにトーク番組で訂正されたというエピソードがあります。

筆者が聞いた感想なかなか良い演奏をしていると思うのですが、様々なバンドが生まれては消え、互いに技術を競っていたバンドブーム時代の業界評価は厳しかったのかもしれません。

BY-SEXUALはライブバンド!9割が女性客

パンクロック風の楽曲でパワフルな演奏を行うBY-SEXUALは実演向きの、所謂「ライブバンド」でした。

縦横無尽にステージを駆け回るメンバーのパフォーマンスもさることながら、それ以上にライブの目玉となっていたのがファンの熱気です。

現代のビジュアル・ロックファンにもみられる傾向ですが、バンドメンバーに似せてカラフルに染めた髪の毛や、特攻服のコスプレをして会場に来るファンが多く、競うように黄色い声援を送っていました。

またライブ会場は常に「ファンの9割以上が女性」という状態。ビジュアル・ロック冥利に尽きますね。

BY-SEXALのメンバー

SHOの脱退と改名

順調に活動を続けていたBY-SEXUALですが、1996年にボーカルのSHOが突如脱退。「BY-SEXUAL」から「BY-SEX」に改名し、ギターのRYOがボーカルを兼ねるスタイルで1998年まで活動を続けました。

その後2011年に大震災復興イベントでBY-SEXAL名義で復活。15年ぶりにメンバー全員でステージに立ち、ファンを沸かせました。

BY-SEXALの残した音源

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