【智ノ花】高校教師から転身「センセイ」の愛称で親しまれた名力士

【智ノ花】高校教師から転身「センセイ」の愛称で親しまれた名力士

高校教師という職を捨て、歴代最高齢の27歳で角界入りした異色の力士『智乃花』。珍しい決まり手である『居反り(いぞり)』など鮮やかな技で若貴とともに相撲界を盛り上げた名力士の経歴・引退後について紹介。


高校教師から転身した「センセイ」、智ノ花。

本名:成松伸哉(なりまつ しんや)
1964年6月23日生まれ
熊本県八代市出身。
身長:175cm、体重: 	117kg
所属部屋 :立浪部屋
生涯戦歴:379勝381敗78休(58場所)
幕内戦歴:104勝121敗15休(16場所)
幕下優勝1回、技能賞2回
愛称は「先生」「成松先生」。

智ノ花(智乃花)

『智ノ花』入門までの経歴。

幼少時に両親が離婚し、叔父夫婦の援助を受けながら育った。
その叔父が法政大学の相撲部出身であった影響から相撲を始め、日本大学相撲部では全国学生相撲選手権大会を始めとする数々の大会で活躍し、大学4年生の時には主将を務めた。

写真左上が智ノ花。

日本大学相撲部時代の智ノ花

大学相撲で「完全燃焼した。」とプロには進まず、大学卒業後は山口県の中学校や大津高校(現大津緑洋高校)で保健体育の教諭として勤めながらアマチュア相撲で活躍。
1989年にはアマチュア横綱のタイトルを獲得した。

教職を捨て、歴代最高齢の27歳で入門。

日本大学の後輩である舞の海の活躍に触発され、大津高校在職中に大相撲入門を決意。

日本大学相撲部で活躍。山形県の高校教師に内定していたが、夢であった大相撲への道をかなえるため周囲の反対を押し切り大相撲入りを決意。
しかし基準の身長に足りず一度目の新弟子検査に不合格。頭にシリコンを入れ二度目の検査で合格。
身長171cmの角界最小の身体ながら、「猫だまし」、「八艘飛び」などファンを驚かせる数々の技をくりだし、“技のデパート”の異名をとった。
最高位:小結 三賞:技能賞5回受賞

舞の海

同じく日大の後輩である大翔鳳がいた立浪部屋に入門した。

年齢と妻子持ちの高校教員であることから入門を決意した際他のどの部屋も冷ややかな目で見ていたが、唯一立浪部屋は歓迎していたのでこれが入門の決め手となった。

1992年3月場所、幕下付出で初土俵。
27歳での初土俵は年6場所制になってからの史上最高齢であり、高校教員からの転身であることや、既に妻子持ちであることで話題になった。

逆境を跳ね除けスピード出世。

教員時代の教え子世代は兄弟子であったり、苦しい立場を経験するが「強くなって関取になるしかない。」と奮起。

入門から4場所目で幕下優勝して十両昇進。
9場所目で幕内に上がり11場所連続で勝ち越し。
12場所目の1994年1月場所では新小結に昇進した。

これは、幕下付出からの記録では横綱・輪島を抜くスピード三役昇進であった。

珍しい決まり手『居反り(いぞり)』など豊富な技で土俵を沸かせる。

現役中の決まり手は34種類で、「技のデパート」と言われた舞の海の33種類よりも多い。
なかでも、非常に珍しい決まり手である居反りで一度勝利したことのある力士としても知られている。

若貴ブームによる大相撲黄金時代に上手く乗り、智ノ花の取組の時は視聴率が上昇し、他にもニュース番組(FNNスーパータイムなど)で単独特集が組まれるほどの人気を誇った。

上からのしかかってきた相手の懐に潜り込み、両手で相手の膝を押し上げ、後ろに反って倒す技。
レスリングのリバース・スープレックスやフィッシャーマンズ・スープレックスに近い。

居反り(いぞり)とは

【智ノ花】名勝負集

1994年1月場所、新小結に昇進した初日の一番。
極端に後ろに下がって仕切る智ノ花の姿に会場からどよめきが上がり、曙も困惑。
曙の猛烈な攻めをしのぎ、接戦に持ち込んだが取り直しの末、惜敗した。
智ノ花は、この曙との一戦が思い出の一番だと語っている。

智ノ花 対 曙

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