【ドミンゴ・マルティネス】ファンに愛され、惜しまれた長距離砲

【ドミンゴ・マルティネス】ファンに愛され、惜しまれた長距離砲

「マルちゃん」の愛称で親しまれたマルティネス選手。 清原和博がFAで去った西武ライオンズの救世主的役割を果たし、その後、巨人でも活躍。 ファンに強烈な印象を残した彼の日本での球歴を振り返る。


ライオンズに救世主・現る!

森監督がパリーグ新記録となるリーグ5連覇を手土産に勇退。変わって1995年シーズンから東尾修が監督に就任した西武ライオンズ。だが、黄金期を支えた秋山、秋山、石毛らがチームを去った事も影響してか、西武は2年連続で優勝を逃す。更に、1996年シーズン後には、清原和博選手がFA宣言で巨人に移籍。ドミンゴ・マルティネス選手が西武に入団したのは、正にそんな時でした…。

マルティネス選手(西武時代)

オープン戦では全く打てず、「扇風機状態」だったが、シーズンが開幕すると、早くも第2戦に本塁打を放ち、その後も勝負強い打撃を披露する。鈍足の為、守備にはとても期待できないものの、指名打者制があるパリーグでは問題なく、マルティネス選手は「5番・指名打者」に定着し、この年指名打者のベストナインにも選出。西武の3年振りのリーグ優勝に大きく貢献するのです。

【1997年のマルティネス選手の成績】
130試合出場、打率.305、本塁打31本、108打点(103三振)
ちなみにこの年巨人に移籍して行った清原選手の成績は、130試合出場、打率.249、本塁打32本、95打点(152三振)であるから、清原選手の穴を埋めて余りあると言えるのではないでしょうか。

大きな身体で大きな本塁打を放つ事が最大の魅力だった

1997年の日本シリーズはヤクルトに1勝4敗。翌年の98年もマルティネス、松井稼頭央らの活躍により、西武はパリーグ連覇を果たしたものの、日本シリーズでは横浜ベイスターズに2勝4敗で敗れて2年連続で日本一を逃すのでした。

【1998年のマルティネス選手の成績】
133試合出場、打率.283、本塁打30本、打点95(三振101)

日本一を決めて喜ぶ横浜の選手達

セリーグ主催の日本シリーズの試合ではDH制が廃止される為、マルティネス選手の守備力というのが問題になってくる。その為、マルティネス選手は、98年の日本シリーズでは、DH制の無い1戦、2戦、6戦では全て代打での出場となった。この様に日本シリーズでマルティネス選手の弱点(守れない、走れない)が浮き彫りになった事がマルティネス選手、そして西武の運命を変えていく事になるのです。

何故「マルちゃん」はクビになったのか?

2年連続で30本塁打、90打点以上をあげて、西武のパリーグ連覇に貢献。体に似合わぬ温厚な性格で研究熱心、ファンの人気も高い…つまりグランド外でも問題は無い。
そんな「マルちゃん」の解雇が1998年のオフに西武球団から発表されました。

その大きな理由として、日本シリーズでマルティネス選手の弱点が浮き彫りになり、東尾監督が「日本シリーズで勝てるチーム」作りを目指した事も関係しています。ですが・・・弱点を補って余りある打力があり、指名打者なら(少なくともシーズンを戦う上では)大きな戦力になるはずだと、マルティネス選手の解雇には西武ファンのみならず、多くの野球ファンから疑問の声が上がったのです。

彼の活躍を覚えている方はどれ程…。

シアンフロッコ選手

さて、マルティネス選手を解雇してまで獲得した外国人選手がどのような活躍をしたかというと・・・。

アーキー・シアンフロッコ:15試合出場、打率.163、本塁打2、打点5(シーズン途中解雇)
グレッグ・ブロッサー:34試合出場、打率.198、本塁打3、打点9(シーズン途中解雇)
アラン・ジンター:61試合出場。打率.202、本塁打8、打点28(途中入団・98年限りで退団)
コーリー・ポール:59試合出場。打率.257、本塁打12本、打点29(途中入団、2001年まで在籍)

1999年はこの4人の外国人野手が西武ライオンズに在籍していたのですが、4人とも期待していた様な成績を挙げたとはいいがたいのではないでしょうか。

「ツインバズーカ」と呼ばれたマクレーン選手、カブレラ選手が入団するまで西武の「外国人野手冬の時代」は続く事に・・・。

マクレーン選手

「守れない」「走れない」マルティネス選手を解雇し「日本シリーズで勝てるチーム」作りを目指したものの、この年西武ライオンズは優勝したダイエーと4ゲーム差の2位。
結局、東尾監督の元では優勝は果たせず、ライオンズの優勝は伊原監督が指揮をとった2002年まで待つ事になるのですが、それも西武の外国人野手「冬の時代」が長く続いた事と深く関係しています。
※「ツインバズーカ」と呼ばれた、カブレラ、マクレーン両選手が入団するのは2001年の事。

「清原和博」との不思議な縁

西武退団後、1999年シーズン途中まではメキシカンリーグでプレーしていたマルティネス選手ですが、この当時、清原選手など主力野手が揃って不振に陥っていた巨人に途中入団する事になります。
元々マルティネス選手が西武に入団したのは、清原選手のFA宣言による戦力低下を補う為だったのですが、巨人に入団する事になったのも、清原選手が不振だったという事と大きく関係しているというわけです。

途中入団したマルティネス選手は、83試合に出場、打率.324、16本塁打、56打点という好成績を挙げます。ちなみに怪我と不振により、マルティネス選手と併用される形になった清原選手の1999年の成績はというと、86試合に出場、打率.236、13本塁打、46打点。マルティネス選手は巨人でも清原選手の穴を埋めたのです。

さて、西武を解雇される原因ともなったマルティネス選手の「守れない」という弱点は、指名打者制度の無いセリーグではより深刻です。これを当時の巨人はどうしたかというと・・・極端に言えば「目をつぶった」のです。不振の清原選手に変わって一塁を守ることはまだいいとして、鈍足のマルティネス選手に外野を守らせる事もあったのです。(この件で、投手陣からの不満が相当出たとの事です)

マルティネス選手の加入で打線に厚みを増した巨人は、首位中日を猛追。投手陣では新人の上原選手が20勝を上げるなど大活躍しますが、斎藤雅樹(5勝)、桑田真澄(8勝)らが不振に終わった事もあり、結局2位に終わります。

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