シュールでおしゃれだった王様のレストラン

シュールでおしゃれだった王様のレストラン

「王様のレストラン」は、1995年4月19日~7月5日の毎週水曜日21時から、フジテレビ系列の「水曜劇場」枠で放送されていたテレビドラマです。潰れかかったフレンチレストランを若きオーナーと実力満点のギャルソンが盛り立てていくストーリーで、そのシュールでおしゃれ、そして人間味に溢れたドラマに人気がありました。


王様のレストランあらすじ

このドラマの主人公の一人なのが、原田禄郎というなんだか頼りない青年。フレンチレストラン「ベル・エキップ」のオーナーだった父親が亡くなったことで、突然に後を継ぐ話が持ち上がったのです。商社の経理だった禄郎青年は、父親の後を継ぐことを決意。ですがレストラン経営など経験のない彼は、まず父親の良きパートナーだった千石武を呼び戻すことから始めます。レストランには、シェフの磯野しずか・バーテンダーの三条政子・禄郎と腹違いの兄であり総支配人の水原範朝らが、レストランを切り盛りしていましたが、熱意もやる気もなくお店は閑古鳥が泣いていました。このドラマは、禄郎新オーナーが千石武を「ベル・エキップ」に招待したところから始まります。千石武とは、当時のレストラン業界で、かなり名が知れていた有能なギャルソンでした。しかし、ある日突然に姿を消し、今は給食センターで働いていたのです。潰れかかったフレンチレストランを、原田禄郎と千石武がやる気のないスタッフたちにやる気を与え、昔のような人気フレンチレストランに再建していく様子が、ちょっとシュールで痛快な人間ドラマとして展開されていきます。

キャスティング

大成功だった「警部補 古畑任三郎」に続いて、「王様のレストラン」の脚本も三谷幸喜が手がけています。この作品では、キャスティングもこだわった三谷の希望がかなり取り入れられたそうです。松本幸四郎・筒井道隆・山口智子・鈴木京香などに有名俳優の他に、西村雅彦・小野武彦・伊藤俊人・梶原善・白井晃・田口浩正といったような、実力派の舞台役者の面々が数多く出演することでも話題になりました。

ドラマ展開・音楽

これまでのどドラマにあったような、恋愛には重点をおかない方針で製作されました。場面のほとんどがレストランの中に集約されるという、限られた舞台設定は当時に放映されていたドラマとしては、かなり珍しいものとなっています。ストーリーに重厚感を出すため、ナレーションを取り入れました。そして選ばれたのが森本レオです。暖かくほのぼのした語り口調のナレーションは、「王様のレストラン」には欠かせない存在となりました。

音楽は服部隆之が担当、今後増えていく三谷・服部コンビのきっかけになる作品となっています。実はドラマの主題歌だった「Precious Junk」は、平井堅のデビュー曲でした。当時はまだ無名だった平井堅、あまり話題にもあがりませんでした。この曲は、毎回のエンディングに流れるのですが、後に三谷が語ったところによると、当初ドラマのイメージとは全く合わなっ過多曲だったとか。また、毎回のカットが曲のサビをバックに入るのですが、この時いったい誰が映るのか、キャストの皆さんの間で話題になっていたそうです。

登場人物

ドラマの展開としてはレストラン内の場面がほとんどということもあって、そういう面では変化が少ないともいえ、登場する人物の個性がよりいっそう目立っています。その中でも、主役級の3人をご案内しましょう。

それとレギュラーの登場人物の名前、鎌倉幕府草創期の関係者の苗字や名がモチーフとなってるのを知っていましたか。禄郎と千石の関係を、義経と弁慶の関係になぞらえているところも面白いですね。しずかはもちろん、静御前でしょう。

千石 武 / ギャルソン

松本幸四郎が演じる千石武、初代オーナーの大親友で「ベル・エキップ」で働いていた伝説のギャルソン。禄郎から連絡が入るまでは、給食センターで働いていました。かつてのような活気溢れるフレンチレストランにするため、直接的にはわからないように、様々な改革をしていきます。しかし、目標が達成できるまであと一歩のところで、禄郎と意見が対立。この時、しずかの一言が身を引く決意をさせ、予告もなく店を去るのでした。

その後に復帰した頃は、腰が低いのに態度はでかいと言われ、レストランのスタッフたちから嫌われてしまいます。頭脳明晰で思慮深いギャルソンではあるのですが、仕事に関係のない知識については、全くの世間知らずな一面も。口癖は「素晴らしい!」ですね。

原田 禄郎 / パトロン

筒井道隆が演じる原田禄郎は、初代オーナーが作った愛人の息子です。そして、「ベル・エキップ」のディレクトールを務める、範朝の腹違いの弟でもあります。父の遺言によって、突然に「ベル・エキップ」のオーナー(パトロン)に。少々天然気味で、お坊ちゃん的な要素もある性格ですが、自分の考えはしっかりと主張します。人がいいのが取り柄ともいえる好人物で、以前は商社の経理部員でした。その時に培った能力を活かして、従業員のクビを切らずにコスト削減を達成し、その後から徐々にスタッフにも信頼されていくのです。

色恋沙汰にはいたって鈍感、兄の範朝と政子が愛人関係ということにも気が付かず、政子に惚れてしまいます。考え事をしている時に唇をいじるのが癖で、これは兄の範朝も同じなんです。趣味は電動玩具集めで、これまた兄範朝と同じなんですよ。その範朝は、たった1人の身内ということもあり、とても大事に思っています。なお、古畑任三郎の第2シリーズで、山口智子演じる華道家の発表会会場に、原田禄郎と書かれた花が置かれていました。三谷幸喜繋がりのいたずらなのでしょうが、なかなかにシュールでウィットにとんだ演出ですね。

磯野 しずか / シェフ・ド・キュイジーヌ

山口智子が演じるのは、シェフの磯野しずかです。初代オーナーが病気で倒れた際、副料理長として雇われました。その後初代オーナーが亡くなった後、そのまま料理長に昇格しています。当初は仕事にやる気のないシェフでした。しかし、以前にパリに住んでいた頃、客として通い続けたフレンチレストラン「L'Ambroisie」の「サーモンの臓物パイ」の味を見事に再現した潜在能力に気づいた千石が、彼女の才能を開花させていくのです。ドラマが始まった頃は喫煙をしていましたが、料理人として舌がダメになると千石に言われ禁煙しています。

磯野シェフが大ファンだったのが橋幸夫。ただ、若き橋幸夫のまま頭の中のイメージが止まっているようです。なお、ドラマの最終回で橋幸夫が本人役で登場、「ベル・エキップ」で食事をします。他のスタッフから本物の橋幸夫が来たと聞いて、喜んで橋のテーブルに挨拶に行きましたが、目の前で顔を見て人違いと言って戻ってきます。他のスタッフも、人違いとして納得するのがシュールなところ。時々フランス語を使うシェフですが、日本人にしか通じないフランス語だと本人も話すように、かなりクセが強い発音のようです。

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