愛の嵐(東海テレビ制作昼ドラ)の原作は名作「嵐が丘」ドラマと原作との比較

愛の嵐(東海テレビ制作昼ドラ)の原作は名作「嵐が丘」ドラマと原作との比較

1986年の昼ドラ「愛の嵐」は昭和初期から戦後にかけてがの舞台の、お嬢様が主役の嵐シリーズ3部作の一つです。幼馴染の悲恋や、主役の子供時代を小川範子が演じ、成長してからは田中美佐子が演ずるというキャスティングの豪華さで人気を博しました。愛の嵐の原作はアメリカの女流作家エミリ・ブロンテの「嵐が丘」です。この名作をどうやってドラマににしたのか?ドラマや原作のあらすじについてご紹介していきますね。


昼ドラ「愛の嵐」のあらすじ

愛の嵐は1986年6月30日~10月3日まで東海テレビ(フジテレビ系列)の昼ドラ枠で放送されました。
主人公は孤児の猛と、猛を不憫に思い自宅に連れ帰った大地主の三枝伝右衛門の娘ひかるです。
幼い頃から、お互いに好意を抱きあってきた二人でしたが身分違いの許されない恋でした。
拾ってもらったことに恩義を感じている猛は、三枝家への忠誠心が強いですが、好意を持っていたひかるには特に強く、何かあれば身を挺してひかるを守ってきたのです。
その後ひかるに思いを寄せた大河原の策略で三枝家が没落し、家を助けるためひかるは大河原の元に嫁ぐことになってしまいました。
そしてひかるの父、伝右衛門は先祖代々の墓の前で自決してしまいます。
その後太平洋戦争に突入。
戦地に赴任した猛の戦死の知らせが届き、傷心のひかる。
でも生きていた猛は戦後ひかるの前に現れ、猛は三枝家を取り戻すために大河原を追い詰めていきます。
大河原の子供を妊娠したひかるは、大河原との結婚生活を選びますが、大河原の汚いやり方を知り流産してしまいました。
大河原と別れたひかるは、猛と再出発を目指し物語は終わったのです。

オープニングテーマは下成佐登子の「Mrs.メランコリー」。
人妻となってしまったひかると猛の心に秘めた恋に合っていて、ジーンときます。
昼下がりに妙に似合うのですよね(笑)

主人公の猛は渡辺裕之(子役時代は皆川鉄也、吉村英哉)
ひかるは田中美佐子(子役は小泉朋子、『谷本重美後の小川範子』)
敵役の大河原勇作は長塚京三が務め、いやらしそうな役を好演しています。
大河原とひかるの初夜のシーンは猛ならずとも、発狂しそうでした(笑)
無名時代の小川範子が、デビュー当時のキョンキョンみたいで可愛かったです。

原作の嵐が丘とは?

嵐が丘は1874年に刊行された女流作家エミリ・ブロンテの唯一の長編小説です。
ちなみにエミリ・ブロンテの妹は、ジェーン・エアを書いたシャーロット・ブロンテです。
後に嵐が丘は世界の十大小説の1つと高く評価されていますが、エミリの生前は全く評価されず、エミリは不遇のまま人生を終えてしまったのでした。

嵐が丘のあらすじ

孤児のヒースクリフは、嵐が丘に住むアーンショーに拾われて一緒に住む事になりました。
アーンショーには2人の子供がいて、そのうちの娘キャサリンとヒースクリフは仲良くなります。
自分の子供以上に可愛がってくれたアーンショーと、キャサリンと仲良く遊び幸せな子供時代を過ごすのでした。
でもアーンショーが亡くなり、キャサリンの兄のヒンドリーが当主になると、ヒースクリフを下働きにしてしまったのです。
またキャサリンは上流階級のエドガーから求婚されると、ヒースクリフを必要としながらも、暮らしを下げる事は出来ないと判断し、エドガーの求婚を受け入れて結婚してしまったのでした。
ヒースクリフは嵐が丘を出て、成功し金持ちになって戻ってきます。
でもそれはエドガーやヒンドリー、キャサリンに復讐するためでした。
エドガーに隠れて会っていたキャサリンとヒースクリフでしたが、その愛情の重さと恨みの念に堪えかね、妊娠していたキャサリンは遂に命を落としてしまいます。
でもお腹の中にいた娘は助かり、ヒースクリフの復讐はなんとキャサリンの忘れ形見にも及んでいくのでした。

世界の三大悲劇とも呼ばれ、何度も映画化されています。
でも原作のままだと、日本ではあまりウケないかもしれません。
愛の嵐のドラマでは、猛の復讐はあくまで大河原に対してで、三枝家とひかるに復讐を企てたりしたら、悲恋ドラマとしてここまで感動出来なかったでしょう。
原作の世界観は独特で、不気味とも呼べる雰囲気ですが、そんなところが世紀を超えて愛されている所以なのかもしれません。

ちなみに日本でも室町時代を舞台に「嵐が丘」は映画化されています。
こちらは無気味でおどろおどろしさが、原作の雰囲気を醸し出していますね。
室町時代は性が退廃していた時代だったので、雰囲気がしっくりくるかもしれません。

まとめ

1986年に大ヒットした昼メロの「愛の嵐」とそのドラマの原案となった「嵐が丘」のあらすじについてご紹介しました。嵐が丘は全てに復讐しようとする怨念と、裏返しの深い愛情が魅力なのに対し、愛の嵐はあくまで幼馴染の純愛が描かれています。
好みは分かれますが、個人的には純愛が実りハッピーエンドを迎えたドラマに1票入れたいと思います!

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