【復讐するは我にあり】第3回(1980年度)日本アカデミー賞を振り返る!【若山富三郎】

【復讐するは我にあり】第3回(1980年度)日本アカデミー賞を振り返る!【若山富三郎】

1980年と言えば、イラン・イラク戦争が勃発した年。ジョン・レノン銃殺事件が起きたり、 モスクワオリンピックを日本やアメリカがボイコットしたりした年でもあった。そんな1980年の日本アカデミー賞を振り返ってみよう。


第3回日本アカデミー賞

第3回日本アカデミー賞は1980年3月29日に京王プラザホテルで開催された日本アカデミー賞発表・授賞式である。司会は山城新伍。

最優秀作品賞『復讐するは我にあり』

『復讐するは我にあり』は、5人が殺害された西口彰事件を題材にしている佐木隆三の長編小説を映画化したもの。第22回ブルーリボン賞も獲得し、キネマ旬報ベストテンでは第1位となった。

タイトルの「復讐するは我にあり」は、新約聖書(ローマ人への手紙・第12章第19節)に出てくる一節で、゛悪人に報復を与えるのは神である”ということを意味する。
佐木はこういう男がいたことを調査しても、佐木自身は主人公を肯定も否定もしないという気持ちを込めてタイトルに引用したらしい。

復讐するは我にあり

優秀作品賞は以下の通り。

あゝ野麦峠
衝動殺人 息子よ
太陽を盗んだ男
もう頬づえはつかない

最優秀監督賞:今村昌平『復讐するは我にあり』

今村昌平は、黒木和雄、深作欣二、藤田敏八らと競って映画化権を取得した。その甲斐あって、本作のヒットにより低迷期を脱し、映画監督として復活をとげた。

実は今村はこの映画の主役(実在の殺人犯・榎津巌役)を渥美清にオファーしていたが、結果的には緒形拳が演じることとなった。

今村は1983年の『楢山節考』と1997年の『うなぎ』で、カンヌ国際映画祭の最高賞(パルム・ドール)を受賞している。

今村昌平

優秀監督賞と作品は以下の通り。

神代辰巳(赫い髪の女)
木下惠介(衝動殺人 息子よ)
長谷川和彦(太陽を盗んだ男)
山本薩夫(あゝ野麦峠)

最優秀主演男優賞:若山富三郎『衝動殺人 息子よ』

『衝動殺人 息子よ』は、『中央公論』で佐藤秀郎が連載した長編ノンフィクション「衝動殺人」を原作とした映画。若山富三郎は、京浜工業地帯で町工場を経営する川瀬周三役で受賞した。

このアカデミー賞のほか、キネマ旬報・ブルーリボン賞・毎日映画コンクールの主演男優賞にも輝いている。

若山は東京都江東区出身。弟に勝新太郎がいる。代表作は映画『子連れ狼シリーズ』での拝一刀役で、殺陣に関して当代随一の名手だと評判になった。

優秀主演男優賞は以下の通り。

渥美清(男はつらいよ 翔んでる寅次郎/男はつらいよ 寅次郎春の夢)
緒形拳(復讐するは我にあり)
沢田研二(太陽を盗んだ男)
松田優作(蘇える金狼)

最優秀主演女優賞:桃井かおり『神様のくれた赤ん坊』/『もう頬づえはつかない』

桃井かおりは東京都世田谷区出身。『神様のくれた赤ん坊』では駆け出しの女優・森崎小夜子を、『もう頬づえはつかない』では主役の相手役であるまり子を演じた。

1981年からは渡米し、活躍の場をハリウッドにも広げている。また、近年では映画監督やジュエリーデザイン、雑誌創刊なども手がける。

神様のくれた赤ん坊

優秀主演女優賞は以下の通り。

大竹しのぶ(あゝ野麦峠)
高峰秀子(衝動殺人 息子よ)
松坂慶子(配達されない三通の手紙)
宮下順子(赫い髪の女)

最優秀助演男優賞:菅原文太『太陽を盗んだ男』

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