関西の下町でホルモン焼き屋を切り盛りする勤労小学生。彼女を取り巻く人情コメディアニメ「じゃりん子チエ」とは?

関西の下町でホルモン焼き屋を切り盛りする勤労小学生。彼女を取り巻く人情コメディアニメ「じゃりん子チエ」とは?

1981年4月に映画化されたのち、1981年10月からテレビアニメ化される。大阪西成区西萩町を舞台に、父親に代わってホルモン焼き屋を切り盛りする小学生のチエと、彼女を取り巻く超個性派の人々との日常を描いた作品です。関西では人気を博し、根強いファンもいます。キャラクターの声に西川のりおなど、吉本芸人を起用しているのも人気の原因でしょうね。それでは、「じゃりん子チエ」の世界を見てみましょう!


舞台と背景

舞台は大阪西成区西萩町。小学5年生のチエと父テツ、母ヨシ江の三人暮らし。
ホルモン焼き屋「テっちゃん」改め、「チエちゃん」とし、父テツの代わりに一人で店を切り盛りしています。作中当初、母ヨシ江は、家出中だったが父テツと寄りを戻し戻ってきますが、父テツは、ろくすっぽ仕事(ホルモン焼き屋)をせず、ヤクザをどついては金を巻き上げ遊んでいるといった始末。

竹本家は、洋裁学校の先生をするヨシ江の収入とホルモン焼き屋の収入で生活しています。
けっして裕福ではないので、チエが店を切り盛りして生活を助けているんですね。今では考えられない状況です。

そして、竹本家に欠かせないのが、チエちゃんが飼っている猫の小鉄。
実は、人間の言葉がわかる猫なのです。しかし、チエを含め人間の前では、普通の猫のフリをして生活しています。作中時折「小鉄は、人間の言葉がわかってるんやないやろか?」とチエが話しているシーンがでてきます。

1話1話、個性豊かな登場人物たちが、大阪の下町でどたばた劇を繰り広げる作品となっています。

登場人物

西萩小学校5年生。赤いぽっちり(玉)のついたヘアゴムで、前髪をキュッと縛っているのと下駄がトレードマーク。運動神経抜群。怒らすと下駄で頭をどつかれます。商売上手・聞き上手で、ホルモン焼き屋の常連客には一目置かれています。

竹本チエ(主人公)

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坊主にちょび髭、腹巻に雪駄。まるで、やくざかチンピラかといった出で立ち。ケンカが大好き。でも酒もたばこも女遊びもしない硬派な男性です。嫁のヨシ江とは、夫婦なのに緊張してうまく会話ができません。娘のチエには「テツ」と呼び捨てされています。テツの声は芸人の西川のりおです。

竹本テツ(これでもチエの父親)

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夫のテツに「出て行け」と言われたことを真に受け、家出していたが、仲人の花井拳骨の計らいで復縁します。洋裁を得意とし洋裁学校の先生です。とても控えめだが、足の速さはテツに劣らず、抜群。学生の頃、「トラックの魔女」とまで呼ばれていました。チエも認めるど天然さが、ぎくしゃくした夫婦間に笑いをもたらします。

竹本ヨシ江(チエの母親)

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実は、月の輪の雷蔵と名を轟かせた流れ者の猫。めちゃくちゃ喧嘩が強く、猫だけでなく犬でも、人間でも殴り倒してしまいます。テツもよくチエの代わりに小鉄にやられます。さらに猫なのに2本足歩行で、人間の言葉を理解しています。チエ含め人間の前では、普通の猫を装っています。ただの猫ではありません。

小鉄(チエの飼い猫)

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その他に、テツの母親のオバア(作中最強キャラ)・テツの父親オジイ(心臓が弱く、テツの金づる)・花井拳骨(テツの小学校時代の担任教師、テツとヨシ江の仲人)、花井渉(チエの担任教師、花井拳骨の息子、作中では標準語をしゃべるレアキャラ)、丸山ミツル(テツの幼馴染、警察官。声は芸人の上方よしお)、平山ヒラメ(チエの親友。おかっぱ頭で、どんくさい)、小林マサル(チエのクラスメート。毎日チエの悪口を言わないと病気になる体質)などなど。強力なキャラクターばかりです。

その他の登場人物たち

テツの声は、西川のりお!!

当時、じゃりン子チエは、声優が芸人ってことで、関西では絶大な人気を誇りました。関西の話に、本場関西の芸人たちが登場人物たちに命を吹き込んだおかげで、生きた関西弁がアニメーションを引き付けましたね。

西川のりおのダミ声こそ、破天荒なテツにぴったり。テツの幼馴染の警官・みつるが西川のりおの相方である西川よしお。作中、テツとみつるの会話は、すっかり西川のりお・よしおの漫才のよう。プロの声優ではないので、セリフが時折棒読みになってしまいますが、それが益々テツの個性を引き出して、すっかりテツのファンになってしまったものです。画像を見ると、今にも「見たってや~!」と言いそうな西川のりおです。

テツの声優:西川のりおとテツの幼馴染:丸山みつるの声優:西川よしお

ja.wikipedia.org

オープニング曲が衝撃!

オープニング曲(バケツのおひさんつかまえた)は子ども向きに作られたのか?
毎週楽しみに観ていていましたが、未だに口ずさむことができるオープニング曲。あれって、子ども向けにつくったんでしょうかね?アニメーションに花札ですよ。わたしなんか、この映像で花札を知ったくらいです。歌詞も良く理解できなかった気がしますね。

「トラのふんどし
 ヒグマのパッチ
 ムカデの歯ブラシぶら下げて
 ちゃぶす山でどんこ釣り
 エテコがマネしてあかっぱじ…」

なんのこっちゃ?です。でも、言葉遊びのようで、よく歌ってましたね。そもそも子どもの頃は意味なんでどうでもいいんです、楽しけりゃ。

まとめ

アニメは、「じゃりん子チエ」(第1期)が1981年10月から1982年3月まで全65話、毎日放送制作で放映されました。その後、1991年10月から1992年9月まで「チエちゃん奮戦記 じゃりん子チエ」(第2期)として前作同様、毎日放送に加え劇場版を配給した東宝も制作に加わり、全39話放映されました。しかし第2期では、第1期でハマリ役だった声優陣の変更もあり、第1期ほどヒットせずに、自然消滅するように放送終了となりました。人情味があって、よしもと新喜劇を観るようで関西弁のアニメって新鮮だった気がします(自分、九州出身なもので)。

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