理不尽にも程がある!…救いがなさすぎるまんが日本昔ばなし5選

理不尽にも程がある!…救いがなさすぎるまんが日本昔ばなし5選

正直者に幸運が舞い降りたり、ならず者に天罰が下ったりと、世の中の因果応報を教えてくれた『まんが日本昔ばなし』。しかし、中には、いい人が不運な末路を辿ったまま「むかし、むかしのことじゃった…」と言って終了する、物語的カタルシスを無視した救われない話も多数ありました。


くらっこ鳥

これはある不幸な少女のお話。

千葉の長良に住んでいた気立てのよい農家の娘・くらは、16~17才の時に相次いで両親をなくしてしまいました。心配した村人たちは「良い婿を」と思い、隣町の男との縁談を持ちかけ、やがて2人は結婚。可愛い赤ん坊にも恵まれました。「あんた、この子のためにもしっかり働かにゃーな」と夫に語りかけるくら。ところが、その婿も子が生まれてすぐに急死。これにはがっくり肩を落としたくらでしたが、落ち込んでばかりもいられません。赤ん坊のために、せっせと畑仕事・家の仕事に精を出します。

やがて、百姓仕事の中でも最も大変な田植えの季節に。くらは赤ん坊を背負いながら、田植えに勤しみます。ある時期から赤ん坊が重くなると、くらはあぜ道に赤ん坊を寝かせて仕事をするようになりました。そんなある日の夕刻。一匹の大鷲が突如現れ、赤ん坊をさらっていってしまいます。それを見て、血相を変えたくらは「くらっこけーせ! くらっこけーせ!」と大声でわめきながら、後を追うのですが…。

雪むかし

これも、『くらっこ鳥』同様、報われない少女のどうしようもない末路が描かれている悲話。

ある雪国の庄屋に、遠い村から小さな娘が奉公にやってきました。庄屋の中は全体的に陰鬱な雰囲気が漂っており、おかみさんはいかにも厳しそうな人で、先輩の女中は陰険そうなおばさん…。この時点で、視聴者としては「あ、この娘に何らかの仕打ちが待ち受けてるな」と察せられるというものです。

ある時、旅の坊さんが庄屋に訪ねてきて「食べ物を恵んでくれ」と懇願。その願いをおかみさんは冷たく退けるも、娘はお坊さんを追いかけ、自分の膳部にあったごはんを握り飯にして届けてあげます。そのお礼にと、お坊さんは紅い布と鈴をプレゼント。その布で顔を拭うと、アラ不思議!そばかすだらけで地味だった娘の顔が、見目麗しき美少女フェイスに大変身を遂げたのです。それを知ったおかみさんは娘からその布を強引に取り上げ、自分の顔を拭ってみます。ところが、おかみさんの顔は美しくなるどころか、醜い老婆へと劣化。怒り狂ったおかみさんは娘に布と鈴を返し、そのまま庄屋から追い出してしまうのでした…。そして、雪降る中、行くあてもない娘は…。

物語の出鼻から嫌な予感しかせず、しっかりとそのフラグを回収して後味悪く終わっていく、ある意味トラウマ回です。

ふとんの話

これはタイトルが示す通り、一枚の布団にまつわるお話です。

ある宿屋で寝ていた宿泊客は真夜中に、「兄さん、寒かろう…」「おまえも、寒かろう…」という話し声を耳にします。次の日もまた別の客が同じ声を耳にし、そのことを知った宿屋の主もその布団に寝て、実際に声が聞こえるかどうか確認することにします。すると、やはり「兄さん、寒かろう…」「おまえも、寒かろう…」と聞こえてきたのでした。

これには何かワケがあるのだろう…。そう思った勘の良い主は、布団を購入した古道具屋を訪れて問いただすと、どうやら、町はずれにある一軒の小さな借家の所有物だったことが判明。その借家に住んでいた家族というのがとても貧乏で、家賃を払うのがやっとの状態にもかかわらず、母と父が相次いで死んでしまい、家には幼い兄と弟だけが取り残されることに。さらには、その兄弟は冷徹な家主に家を追い出されてしまい…と、ここまで書けば、あとは何となくオチは分かるというものでしょう。

島になったおばあさん

北海道の摩周湖には「カムイシュ島」と呼ばれる小さな中島があります。「カムイシュ」とは、アイヌの言葉で神様のような老婆という意味。『島になったおばあさん』は、そんな「カムイシュ島」が出来る経緯を描いた物語です。

その昔、アイヌのコタン(集落)同士で一頭の獲物を巡って戦が起こりました。ある日、コタンの酋長のエカシは、敵のコタンの襲撃に遭い、瀕死の重傷を負ってしまいます。エカシは、おばあさんに自分の幼い息子・トンクルを託して絶命。その言葉通り、おばあさんはトンクルを連れて遁走。ところが、父が殺されたことを知ったトンクルは「おっとうの仇をとってくる」と言い、自分の集落へ戻っていきました。
結局、トンクルは行方知れずに。「おーい、トンクルー」と力なく叫び続けるおばあさんがやってきたのは摩周湖。すると、山の神・カムイヌプリが現れます。そして疲れ果てたおばあさんはこう言うのです。「神様、私を島にしてください。そしてどうかいつまでもこの湖に置いてください。私は島になってトンクルを待ちます…」と。

「人間はなぜ争うのか」という深遠なテーマを描いた名作です。

虎子淵

この『虎子淵』は、子供向けにしてはちょっとオトナな、三角関係の悲劇を描いたお話。作画も日本昔ばなしの中では比較的リアルテイストになっています。

ある日、酒屋の下男(使用人)八助は、雨でずぶ濡れのトラ猫を拾い「おめえもおらも捨て子じゃのう」と語りかけ、その猫を「虎子」と名付けて飼うことに。虎子を大切に育てていた八助にある日、虎子が「八助、ユメの婿になれ」と語りかけます。ユメとは酒屋の女主人。酒屋に嫁いだ矢先に、旦那に先立たれ、19歳にして未亡人になっていました。八助とユメは互いに好き合っていましたが、ユメの婿になりたかった酒屋の番頭はなんとか2人の仲を引き裂くために、八助を亡き者にしようとたくらみ、そして、八助は死んでしまうのでした。

その後、番頭は夢枕に出てくる虎子の生霊に正気を失って出奔。ユメは八助の墓前で手を合わせながら傍らにいる虎子に「私も拾われっ子だったのよ。拾われた子は運が薄いのねぇ」とこぼします。それから数日後、虎子は唐突に野犬に襲われて死んでしまうのでした…。

(こじへい)

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