この「先輩ナースと新人ナース」とのやり取りは、ビジネスにも言えることではないでしょうか。
上司は、部下に厳しい指導をします。
それを昨今では、なんでもかんでも「パワハラ」と呼び、回避する傾向にあります。
もちろん精神を病むような暴言や、ましてや暴力などはいけないことですが、上司も、「怒りたくて怒っているのではない」場合もあるでしょう。
部下も、その上司の厳しい叱責の本当の意味が判別できれば、「パワハラか、そうではないか」を区別し、自分の未熟さを恥じ、一人前のビジネスマンに成長できるのではないかと思います。
仮にナースの仕事にこの「パワハラ」という言葉を持ち込んでしまうと、いつまでたっても先輩の助けが必要な「半人前の」ナースのままになってしまい、患者が必要な医療の提供はできないでしょう。
そういう意味では、「半分ビジネス書」のような作品なのかもしれません。
専門用語の注釈をもう一つ。
ムンテラ
ムンテラとインフォームドコンセントの違いについて | KAIGO LAB(カイゴラボ)
引用が長くなりますので、リンクを貼らせていただきます。
なかなかおもしろい内容です。
注釈では、一言「患者への説明」となっていますが、このリンクのタイトルのように、最近は「インフォームドコンセント」と言いますよね。
「ムンテラ」とは初めて聞きました。
ミドルエッジ世代のビジネスマンの皆さんは、いろいろな組織において、「下の人を育て上げる」という役目がだんだん強くなってくる世代です。
この「おたんこナース」は、上司の厳しい指導に一旦はしょげながらも、すぐに患者のため、そして自分のために気持ちを切り替え、成長していく部下としての似鳥ユキエを描いている漫画とも言えます。
すぐに「パワハラだ!」と決めつけ、自分の権利だけを主張するような部下ではなく、ユキエのような「なにくそ精神」を持った部下だったら、育てがい、指導のし甲斐がありますし、指導する上司としても、きちんと指導するスキルと自信が必要となり、上司自身も成長できるようなことになるでしょう。
この名作を、ぜひ皆さんもご一読されてみてはいかがでしょうか。