『ガンプラり歩き旅』その29 ~シャアがくる! 20年目の復活のザク! 前編 シャア専用編~

『ガンプラり歩き旅』その29 ~シャアがくる! 20年目の復活のザク! 前編 シャア専用編~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第29回は、みなさんお待ちかね! ガンダムファイト! ……じゃなかった、皆さんお待ちかねの、シャア専用ザク、HGUC版です!


一年戦争開戦! シャアのザクが無数の量産型ザクを率いて連邦軍に襲い掛かる!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。

今回紹介するのは、ガンダム、ジオングに続いて真打登場の、シャア専用ザクのHGUCです!


ザクⅡ HGUC 1/144 032 シャア専用 2002年7月 1000円

ガンダムとの対決を背景に、こちらをにらみつけるシャア専用ザクのボックスアート!

ザクだザク!
いちいちザクⅡとか、後付けの名前で呼ぶな!
ザクはなぁっ! ザクザクっとくるからザクなんだよ!(意味不明)
ザクはあくまで、どこまで行ってもザクでしかないからザクなんだよ!(意味不明)

大河原立ちのHGUC シャア専用ザクの全身像

確かにザクは、最初に登場した『機動戦士ガンダム』(1979年)でも、量産型ザクの前期型としてプロトタイプのザクも出てきたが、今じゃあっちがザクⅠでこっちがザクⅡとか、わけわかんねぇ呼び方してるけど、あっちは“旧ザク”で、こっちが“ザク”でいいんだよ!
時系列的にそもそも当時のネーミングがおかしかったんだよとか言うな! こっちゃ37年間、その名前で呼んできたんだ! 今さら、帰ってきたウルトラマンのことを、ウルトラマンジャックとか呼べるかよ!(分かる人だけ共感してください)

シミルボン『機動戦士ガンダムを読む!』で再現した、シャア専用ザクのガンダムへのドロップキック!

だいたい、MSVから始まって、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とかの後付け設定の山のせいで、今じゃテレビに出てくるザクの前に、どんだけの種類のザクがいたってことになってるんだよ。もうⅡとかってレベルじゃねーぞ! それともなにか? WindowsとかiOSみたいに「ザクVer.1.87.342」とか、そういう「まだまだ、何が何でもⅡは名乗らせませんよ!」みたいな、技術開発者の意固地なこだわりとかあるのかよ!

22年の時を経て、初代1/144 シャア専用ザク(左)との比較

というわけで、少し冷静になろうと思う。
実は、ガンダムやガンプラに疎い方は驚かれるかもしれないが、1980年に発売展開が始まったガンプラの世界において、1/144で、ガンプラシリーズ開始当初に出た1/144ザク(シャア専用ザク&量産型ザク)が、ザクFZでもザクⅡ F2型でもなく「ザク(紛らわしいんで、最初の『機動戦士ガンダム』アニメ版に登場したザクは「ザク」としか呼ばない)」として新製品として発売されたのは(色プラとかの、仕様代えを除くと)、1980年から次は、いきなり1999年のFG(=ファーストグレード)であり、その間の20年近くは一度もリファインがなかったという、結構意外な事実が浮き彫りになるのである(『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』(1996年)に登場した1/144 MS-06 J ザクⅡ(1998年4月発売)HGキットは、あくまで「『08小隊』でデザインリファインされたザクのキット」ということで、MSVと同じくザクのバリエーションとして扱われると思うため、1stガンダムのザクのキット化としてはカウントしない)。

肩関節の引き出しギミックの恩恵で、ザクマシンガンを正面に向けて両手で構えられる

例えば、ガンプラが映像世界を脱した1983年頃、商品展開がピークだったモビルスーツバリエーション(MSV)という企画の中で発売された、1/100 パーフェクトガンダムの外部装甲を外した状態は、紛れもなく「新規に造形された1/100のガンダムそのまま」であり、1/144 ザクマインレイヤーなるプラモデルも、ザクの金型自体は完全新規製作で、マインレイヤーバックパックとは別に、ノーマルザクのバックパックも入っていたのでザクに組むことも出来、それぞれを今でいう“Ver.2.0”として解釈することも可能だし、実際当時のユーザーたちはそう解釈していたが、しかし商品的にはあくまでも、パーフェクトガンダムはパーフェクトガンダムであり、ザクマインレイヤーはザクマインレイヤーであり、ガンダムやザクの「出し直し」ではなかった。

HGUC ザクの頭部UP。モノアイはシールで処理。成型色以外での量産型との差別化の指揮官ブレードアンテナは、こちらのシャア専用ザクにしか付かない

要するに、『機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争』(1989年)における、出渕裕氏のアプローチと、商品化の際の差別化のバランスを、予め前提においた上での、「『機動戦士ガンダム』一年戦争中から後にかけての、番外編映像作品」と、「そこに登場する、デザインが新たに描きおこされたザクやガンダムを、既存のザクやガンダムとは別型という設定で模型化する」という関係に寄るビジネスが、しばらく根付いてしまったという流れがまずある。

ザク・バスーカを構えるシャア専用ザク!

それはそれで、ザクがザクのまま改変されないという意味においては、まぁ懐古厨としてはありがたい措置でもあるのだが、反面、解像度云々の話以前に、いつのまにやら次世代ガンダムファンの間では、立体でも商品でも、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(1991年)でカトキハジメ氏がデザインした「ザクⅡ F2型」という、ザクとは非常に似て非なるロボットが、我らがザクのふりをして、その後しばらくの間、派生作品などで自己増殖を繰り返し、ガンダム世界と商品展開に居座っていた時代が長かったのである。

ザクの格闘戦用武器、ヒート・ホークを構えるシャア専用ザク

そういう意味では、上記したFGガンプラのガンダムとザクは、原点回帰とカトキ氏作風との折衷であり、そこからもう一振り「ここまでガンプラの技術力が上がったのだから、もう一度アニメのデザインのザクにチャレンジしてみようよ」が、今回のHGUCなのである(というか、ザクに限らずガンダムもガンキャノンもゲルググも、HGUCには“そういうコンセプト”が共通して流れている)。

武器持ち手の穴は大きめに作られているので、ザクマシンガンも、ある程度の角度を変えて、持ち方に表情をつけることも可能

関連する投稿


「黒い三連星」が10cmの可動フィギュアに!G.M.G.シリーズにガイア、オルテガ、マッシュが参戦

「黒い三連星」が10cmの可動フィギュアに!G.M.G.シリーズにガイア、オルテガ、マッシュが参戦

『機動戦士ガンダム』の人気パイロット小隊「黒い三連星」の3人が、メガハウスの可動フィギュアシリーズ「G.M.G.(ガンダムミリタリージェネレーション)」に登場!約10cmのサイズながら驚異の可動性とリアルな造形を両立。ガイア、オルテガ、マッシュがノーマルスーツ姿で、2026年7月下旬に発売予定です。


ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムの世界観を表現するアパレルショップ「STRICT-G」より、群馬県の伝統工芸「卯三郎こけし」との初コラボ商品が登場。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザクが、職人の手仕事による温かい木製こけしになりました。2026年1月5日から予約開始。ファン必見の「和」の逸品を詳しくご紹介します。


SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」にて、「SDガンダム外伝」シリーズより『新SDガンダム外伝 黄金神話 スペリオルドラゴンエディション』が発売されます。


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

「新機動戦記ガンダムW」より、30周年を記念したフィギュア『ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフト』がリペイント再販!!

ホビー通販大手の「あみあみ」にて、メーカー「メガハウス」が展開する『アルファオメガ 新機動戦記ガンダムW ヒイロ・ユイ&リリーナ・ピースクラフトセット 30th Anniversary リペイント再販』が発売されます。


最新の投稿


地球の歩き方が「昭和」をガイド!歴史シリーズ第3弾発売

地球の歩き方が「昭和」をガイド!歴史シリーズ第3弾発売

旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』が、時空を超えた旅へ誘う「歴史時代シリーズ」の第3弾『昭和レトロ』を2026年1月29日に発売しました。昭和元年(1926年)から100年という節目を迎える今年、当時のグルメやカルチャー、懐かしのスポットを徹底ガイド。Z世代には新しく、昭和世代には懐かしい、全世代対応型の時間旅行ガイドブックの魅力に迫ります。


昭和にタイムスリップ!名古屋の貸切宿でレトロパジャマ体験

昭和にタイムスリップ!名古屋の貸切宿でレトロパジャマ体験

ニッカホーム株式会社が運営する名古屋の一棟貸し宿「レトロ名駅」にて、2026年3月1日より「昭和レトロなパジャマ」の無料貸し出しサービスが開始されます。施設内の家具や家電に加え、服装まで昭和スタイルに染まることで、当時の暮らしに没入できる新体験を提供。SNS映え間違いなしの「パジャマパーティー」気分で、懐かしくも新しい宿泊を楽しめるプランの魅力をご紹介します。


78歳の現役漫画家・井出智香恵の自伝「ペンにりぼんを」最新巻

78歳の現役漫画家・井出智香恵の自伝「ペンにりぼんを」最新巻

「レディコミの女王」として知られ、現在も月間100ページを執筆する驚異の78歳、漫画家・井出智香恵。手塚治虫に認められたデビュー当時の黄金時代から、国際ロマンス詐欺被害まで、波乱万丈な人生を描いた自伝的コミック『ペンにりぼんを』の第3巻が2026年1月30日に発売されました。少女漫画界のレジェンドが描く、衝撃と感動の物語をご紹介します。


ハイジが風紀委員に!?埼玉・大宮マルイで「大ヤンキー展」開催

ハイジが風紀委員に!?埼玉・大宮マルイで「大ヤンキー展」開催

昭和から平成初期を彩った「ヤンキー文化」に特化した体験型イベント『大ヤンキー展』が、2026年2月6日から大宮マルイで開催されます。変形学生服や特攻服など200点以上の実物展示に加え、『アルプスの少女ハイジ』や『なめ猫』との衝撃的なコラボレーションが実現。「番長おんじ」や「風紀委員ハイジ」といったパワーワードが飛び交う、懐かしくも新しい狂乱のイベント詳細をお届けします。


永遠のミスターに会える!長嶋茂雄の栄光を辿る展覧会が日本橋で開催

永遠のミスターに会える!長嶋茂雄の栄光を辿る展覧会が日本橋で開催

日本橋高島屋S.C.にて、2026年3月18日より「長嶋茂雄 追悼展 ミスタージャイアンツ 不滅の背番号3」が開催されます。「ミスタープロ野球」として国民に愛された長嶋茂雄氏の栄光の軌跡を、120点を超える貴重な写真や映像、ゆかりの品々で振り返る初の展覧会。天覧試合でのサヨナラホームランから監督時代の苦闘、そして文化勲章受章に至るまで、不滅の輝きを放ち続けるレジェンドの魅力に迫ります。