映画「ホームカミング」公開記念!70年代にアメリカで放送された、「スパイダーマン」の実写TVドラマとは?

映画「ホームカミング」公開記念!70年代にアメリカで放送された、「スパイダーマン」の実写TVドラマとは?

待望の新作映画「スパイダーマン/ホームカミング」が現在絶賛公開中の、マーベルコミックス最大の人気ヒーロー、スパイダーマン!日本での放送に先立つこと半年、1977年に本国アメリカで初の実写テレビシリーズが放送されていた!


待望の新作映画「スパイダーマン/ホームカミング」が現在絶賛公開中の、マーベルコミックス最大の人気ヒーロー、スパイダーマン!
今回が実に2度目の再映画化となるこの人気コミックだが、実写化という視点で言えば、わが日本の東映が特撮テレビドラマとして、1978年にいち早く実写映像化していたのを、ミドルエッジ世代なら覚えているのでは?
しかし、日本での放送に先立つこと半年、本国アメリカで初の実写テレビシリーズが放送されていたのを、ご存知だろうか?
僅か13話しか製作・放送されなかった、このテレビドラマ版「スパイダーマン」を、今回は是非紹介してみたいと思う。

全米放映時の宣伝広告集

放映時の宣伝広告(右)とテレビドラマ版コミック雑誌。

記念すべき第1話が全米で放送されたのは1977年9月19日、放送時間は平日の夜8時から1時間。子供向けの30分番組では無く、あくまでも大人の見る時間帯に、大人の鑑賞に堪え得る内容で製作されていた。
それだけに各エピソードのクオリティは高く、事実、本シリーズの第1話、第2話&3話、最終の第13話は、アメリカ国外では劇場公開されており、日本でも第1話のパイロット版が、当時「溶解人間」との二本立てで劇場公開されている。

日本公開時の劇場用ポスター

日本公開時のチラシ(裏表)と前売り券

日本公開時のプレスシート

同時上映が、何とあの「溶解人間」!
恐怖とアクションの二本立ては、当時の子供たちにも凄いインパクトだった。

日本公開時の新聞広告

前述した様に、本シリーズからは合計3本が海外で劇場公開されているのだが、日本では3本ともビデオソフト化されただけで、残念ながら未だにDVD化されていない。
またこのテレビシリーズ全13話は、本国アメリカでも未だに全話ソフト化が実現していないため、今回資料として使用したDVDセットも、過去にビデオソフト化された話数に、テレビ放映時の録画エピソードで欠落を補った物となっている。
実は、今回改めてパイロット版の第1話と第2話以降を見比べてみたのだが、その過程で非常に多くの変更・改良がされていることに気付かされた。
まずは各エピソード紹介の前に、その違いを見て行くことにしよう。

第1話のパイロット版と第2話以降との違い

第1話と2話以降のOPタイトルの違い

第1話のみ「SPIDER-MAN」のタイトル表記だが、何故か2~6話はコミックスの正式タイトルである「the AMAZING SPIDER-MAN」に変更されている。ちなみに第2シーズンからは、再び「SPIDER-MAN」に戻されている。

何と、重要なサブキャラが早くも交代!

第1話のパイロット版では、主人公ピーターが勤めるデイリービューグル新聞社の社長であるジェイムソンを、「奥様は魔女」のラリー役でも有名な俳優デビッド・ホワイトが演じていたが、2話以降はロバート・F・サイモンに変更されている。残念ながらどちらの俳優も、あのコミックスに登場する強烈なジェイムソンのキャラクターには合っておらず、人の良さそうな紳士のイメージが強い。

第2話以降はコスチュームも変更。

画像でも明らかな様に、第1話のパイロット版でのコスチュームは、非常にシンプル。2話以降は原作のイメージ通り、腰にはベルト、手首にはクモ糸原料の予備カートリッジが装着される様になった。

第1話と2話以降のマスクの変更点。

本シリーズにおいての、重要な変更ポイントがこれ!
実は公開当時劇場でこのパイロット版を見たのだが、高いビルを登ったり壁に張り付いたりのアクションには驚いたものの、肝心の格闘アクションの迫力の無さにガッカリした記憶がある。
当時は気が付かなかったが、パイロット版のマスクは目の部分が完全なミラー状態になっており、確かにアクションシーンにおいて、必要充分な視界が確保出来るとは思えない。
その対策として、第2話以降は画像の通り、視界確保のために細かい穴が空けられるようになった。そのためか、第2話においてはカンフーの達人との対決など、主に格闘シーンでのスパイダーマンの動きが、見違える程スピーディになっている。

第1話日本版ビデオパッケージ

ちなみに記念すべきこの第1話は、放送局であるCBSの年間視聴率ランキング1位を見事に獲得!

主役のピーターが大人!

本シリーズでのピーター・パーカーは大学生の設定だが、スパイダーマン誕生の重要なきっかけとなる、ベンおじさんが登場しないなど、かなり大幅な変更やアレンジが成されている。放射能を浴びたクモに噛まれ、特殊な能力を得てヒーローとして活躍するのは、原作コミックの通りだ。

本シリーズでピーター・パーカーを演じたのは、当時27歳のニコラス・ハモンド。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」に子役として出演以降、舞台やTVドラマでの活躍を経て、本シリーズへの抜擢となった。昨年惜しくも亡くなっている。享年67歳。

自作のコスチュームで出動!

スパイダーマンのコスチュームがピーターの自作だったり、自分で仕掛けたカメラで特ダネ写真を撮り、新聞社に売り込むのは原作コミック通り。

メイおばさんの登場と、クモ糸のテスト。

実はメイおばさんの役は、登場する度に毎回違う女優が演じていた。
ここに紹介した画像はパイロット版に登場した物。クモ糸の表現や発射時の特殊効果などは、半年後に日本で放送される東映版「スパイダーマン」と、ほぼ同じ様に見える。

スパイダーマンの初仕事!

催眠電波に誘導されて自殺しそうになっている男を、間一髪で救出するスパイダーマン!
第1話の悪役は、胸に付けられたバッジから催眠電波を流し、人々を操ろうと計画するカルト的な主導者。主な見所は、実際のビルの壁を這い回るスパイダーマンと武器のクモ糸の特殊効果。それに敵の屈強なボディガードとの対決なのだが・・・。

敵のガードマンとの対決!

前述した通りマスクの視界が悪すぎるため、見せ場のアクションシーンなのに殆ど動けていないのが残念!途中早回しで動きを早めたりするなど、努力の痕は見られるのだが、どうにも迫力不足・・・。こうして、続く第2話ではアクションの向上が図られることになる。

ヒーローは辛い・・・。

敵のボディガードとの闘いで、腕を負傷してしまったスパイダーマン!止むを得ずタクシーを停めて家に帰ろうとするが、その格好を見た運転手から乗車拒否に会ってしまう。仕方なくゴミ収集車の荷台に身を潜めて帰宅するスパイダーマン・・・。

間一髪助かったピーターと、悪人の最後。

自身も洗脳バッジを付けられてしまい、ビルから身を投げようとするが、寸前で偶然バッジが外れて助かったピーター。
電波の発信元を探知機で突き止めて、送信アンテナをクモ糸で破壊!逆流した催眠電波を浴びてしまった悪人は、自身が廃人となってしまう。

予算や撮影スケジュールの都合だろうか?原作コミック通りのヴィラン(悪役キャラ)の登場が実現しなかったこのシリーズ。記念すべき第1話の悪役も、スーツ姿の普通のオヤジ・・・。それに前述した通り、とにかくこの第1話でのスパイダーマンのアクションは酷い!動きはモタモタして遅いし、とても颯爽としたスーパーヒーローには見えず、当時映画館でガッカリした記憶が鮮やかに蘇る。

それでは続いて、これも劇場公開された、第2話と3話を紹介することにしよう。

日本版のタイトルは「プルトニウムを追え」

劇場版第2作の日本版ビデオパッケージ

第2話と第3話あらすじ

ピーターが通う大学の研究室から盗み出されたプルトニウム。国際的テロリスト、ミスター・ホワイトの手に渡ったプルトニウムから、恐怖のプルトニウム爆弾が生まれ、ニューヨークは未曾有の危機に晒されてしまう。果たしてスパイダーマンは、爆弾を発見してミスター・ホワイトの計画を食い止めることが出来るのか?

第2話のタイトルとOP

本作は前編後編の2話完結として放送されたが、劇場公開及びビデオソフト化の際には、これをまとめて1本の映画として再編集。その際にタイトルも「SPIDER-MAN STRIKES BACK」に変更されることとなった。

本エピソードの悪役は、ミスター・ホワイトと呼ばれる謎の国際的テロリスト。
実は本エピソードのラストで悪役は捕まっておらず、次の登場を予感させるセリフをミスター・ホワイトが吐いて終わる
どうやらシリーズのレギュラー悪役として、このミスター・ホワイトが登場する予定だった様だが、結局この1回だけでその後登場しなかったのが残念だ。

本格的な敵の登場と迫力のアクション!

クモ糸をネットとして使い、見事に着地!
このシーンの映像は、後に第9話で再利用されることになる。

敵に投げ落とされても大丈夫!

本作の見所は、何といっても改善されたアクションシーン!敵も怪力男やカンフーの達人が登場し、第1話よりも遥かに迫力のあるアクションが繰り広げられる。

ミスター・ホワイトを追って、ヘリで追跡するスパイダーマン。
ところが、この直後思わぬ展開に。

ヘリコプターで敵を追跡!

ヘリコプターからジャンプしたスパイダーマン。
何故か普通に空を飛んでいる!

スパイダーマン空を飛ぶ!

実は、本作最大の見せ場がこれ。映画「ホームカミング」でも空を滑空する描写が出て来るが、本作でのスパイダーマンは文字通りスーパーマンの様に空を飛ぶのだ!
まるで「ゴジラ対ヘドラ」でゴジラが空を飛んだ時の様な衝撃だが、この描写は当然ながらこの回だけで終了。以後は二度とスパイダーマンが飛ぶことは無かった。

それでは、最後に全放映エピソードの紹介リストを紹介しておこう。

「スパイダーマン」全放映リスト

第1話「Spider-Man」 :放送日1977、9/19
*前述の作品紹介を参照のこと

第2話「The Deadlly Dust Part1 」:放送日1978/4/5
第3話「The Deadlly Dust Part2 」:放送日1978/4/12
*前述の作品紹介を参照のこと。

第4話「The Curse of Rava」:放送日1978/4/19

[あらすじ]
アメリカの博物館に展示されている「ラーヴァの像」。カリスタンという国のシンボルであるこの像を、マンダクという超能力者に率いられたカルト教団が盗み出そうと計画する。
果たしてスパイダーマンは、超能力者との戦いに勝つことが出来るのか?

*予算と製作スケジュールの関係で、原作コミックに登場する強力なヴィラン(悪役キャラ)を登場させられない本シリーズにおいて、スパイダーマンの能力に対抗出来る強力な敵の設定こそ、製作陣が一番苦労した点だろう。
その点、本エピソードに登場する超能力者は、かなり成功していると言えるが、あまりにその最後が呆気ないのが残念だ。

第5話「Night of the Clones」:放送日1978/4/26

[あらすじ]
ピーターが高校時代に科学の授業を受けたムーン博士が、人間のクローンを作る技術を発明。しかも自分自身のクローンを密かに作成していたが、クローンの方が次第に悪事を企む様になって行く。遂に本物のムーン博士と入れ替わったクローン。クローンの殺人を間一髪食い止めたスパイダーマンだが、その際に追った傷口から床に落ちた血を分析して、ムーン博士のクローンはスパイダーマンのクローンを完成!博士にスパイダーマンの正体がピーターだという事がバレてしまうのだが・・・。

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