楠瀬誠志郎『ほっとけないよ』のヒットで知られる癒しのヴォーカリスト

楠瀬誠志郎『ほっとけないよ』のヒットで知られる癒しのヴォーカリスト

透明感のあるハイトーン・ヴォイスで、『ほっとけないよ』『しあわせはまだかい』など気持ちの伝わるストレートなラブソングを世に送り出した。 心から歌が好きだと感じさせる笑顔、爽やかで心をほっこりさせる歌唱。90年代に活躍した癒しのヴォーカリスト・楠瀬誠志郎の歴史と現在を紹介。


『ほっとけないよ』や『しあわせはまだかい』で知られる歌手・楠瀬誠志郎

楠瀬誠志郎というと、1991年にドラマ『ADブギ』主題歌として大ヒットした『ほっとけないよ』の一発屋というイメージを持つ人がいるかもしれない。

だが、1993年に郷ひろみがリリースした『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』の楽曲提供者としても成功を収め、1994年の人気ドラマ『ぽっかぽか』で主題歌だった『しあわせはまだかい』など人気曲も複数持っているシンガーソングライターである。

特徴的なハイトーン・ヴォイスで、聴く人の心をほっこりさせる癒しのヴォーカリスト・楠瀬誠志郎の活動履歴や現在について紹介する。

1961年2月9日生まれ、東京都小金井市出身。
弟はU-17サッカー日本女子代表監督でJリーグ・FC町田ゼルビア強化・育成統括本部長の楠瀬直木。

楠瀬誠志郎(くすのせ せいしろう)

『音楽をやるために生まれてきた男』楠瀬誠志郎

父親は声楽家の楠瀬一途(くすのせ・いちず)。
その影響を受け、幼少時代から聖歌隊に参加するなど、音楽に囲まれた生活を過ごした。

高校生になった楠瀬誠志郎は、ライブハウス「新宿ロフト」で、山下達郎や大滝詠一らが在籍していたシュガーベイブのライブを観たことをキッカケに、ドラマーの村上“ポンタ”秀一に弟子入り。

杉真理、EPOのステージにコーラスとして参加するようになった他、来生たかお、松岡直也などのレコーディングにも参加、さらに自らも曲作りを手掛けるようになっていった。

その後、楠瀬誠志郎が手がけたCMソングを偶然耳にした、レコード会社CBSソニーのスタッフからの誘いを受け、楠瀬誠志郎は1986年4月にシングル「宝島」、アルバム『宝島』でプロデビューした。

デビュー当初の楠瀬誠志郎

1986年のプロデビュー後は、一年に1枚のペースでアルバムを作り、全国5大都市でのライブ活動を行った。
デビュー当初はバックコーラスをしていた山下達郎の影響を色濃く感じさせるハーモニーを重視した楽曲が多かった。

この頃の曲について、デビュー当時は槇原敬之、KAN、佐藤竹善らが受け入れられ始めたタイミングとも重なったため、他のアーティストとの差別化のためにコーラス経験を活かしてハーモニーを大切にしたと楠瀬は語っている。

歌手より先に楽曲提供者として頭角を現した楠瀬誠志郎

歌手としての活動と並行して、楽曲提供者としても活動。
作曲家としての才能も発揮し、ハイ・ファイ・セット、森山良子、薬師丸ひろ子、小川範子など数々のアーティストに曲を提供していった。

1991年、ドラマ『ADブギ』主題歌に『ほっとけないよ』が起用される

TBS系列で1991年10月18日から12月20日まで放送されていたドラマ『ADブギ』の主題歌として、『ほっとけないよ』が起用された。

一見華やかなTV業界だが、新米AD(アシスタントディレクター)の仕事は「キタナイ」「キツイ」「キケン」な3Kそのもの…。
それでも自分の夢を掴むため、懸命に仕事に奮闘するテレビドラマADの恋と苦悩をコミカルに描いた職業ドラマ。
<キャスト>
加勢大周、浜田雅功、的場浩司、相楽晴子、浅香唯、石田ひかり

TBSドラマ『ADブギ』

もう一度、『ADブギ』を見たくなったら…

ADブギ DVD-BOX -TVドラマ

TBS金曜9時枠らしい、ドラマ性を持ちながらもコメディタッチという作風。 主演の加勢大周はこの前年に映画『稲村ジェーン』でデビューして、その美男ぶりが大いに注目されていた頃。 俳優達による掛け合いの楽しさも堪能できる名作ドラマ。

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楠瀬誠志郎 主題歌 1991年

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